10月27日のロードスター・パーティレースIII(筑波最終戦)に向け、直前のやり取りでは綿密かつユニークな作戦会議が繰り広げられていました。

最大のミッションは「レース車検の合格」

今回の電撃参戦において、最大の目的はレースでの順位ではなく「レース車検に合格すること」でした。 次年度(来年)からはスポーツランドSUGOや鈴鹿サーキットなどへの遠征を計画しています。もし遠征先でレース車検に落ちて走れなくなってしまっては被害が大きすぎるため、まずは近場の筑波サーキットへ赴き、DIYで組み上げた車両がレース規定をクリアし、無事に完成しているかを確認するための「テスト参戦」という重要な位置づけでした。

シミュレーターとロガーを駆使したタイム削り

車検通過を第一としつつも、走りの準備にも抜かりはありません。10月中旬の雨の筑波でのシェイクダウン後、ロガーデータを解析し、タイムロスの原因が「ダンロップコーナーと最終コーナーでのボトムスピードやライン取り」にあることを特定しました。 これを克服するため、秋葉原のシミュレーターショップ(DDR)へ駆け込み猛特訓を開始。プロのインストラクター(大田優希選手)のデータと比較しながら走り込みました。シミュレーター上のタイム差から逆算し、実車でも中団グループを狙える「1分13秒〜14秒台」を出せる手応えを掴んでいます。

セッティングと空気圧の最終調整

雨天時のタイヤ空気圧についても議論が交わされました。セミウェットでのテスト走行時は空気圧2.5〜2.8で良好な感触を得ていましたが、完全なフルウェットになった場合は「4.0」や「4.5」まで一気に上げるという大胆な作戦も検討しています。 アライメントについては、直前でリアのトーを純正のイン(3mm)から「0mm」に設定変更しており、このセッティングが本番でどう出るかのぶっつけテストも兼ねています。

メンタル戦略は「ひっそり・ぼっち作戦」

マシンの仕上がり以上に懸念していたのが、パドックでの居場所と人間関係でした。 周りは有名ショップのサポートを受けるチームや常連ばかりの中、完全DIY車両で単身乗り込む心細さ!

車検の整列やコースインの順番に「しきたり」があるらしいという情報にも怯えつつ、予選はあえて最後尾付近からコースインしてクリアラップを狙うプランを策定。 ピットクルーとして見守るたけだ氏からは、「予選だけガチで走って、決勝は安全のためにピットスタートでもいい」というアドバイスが送られました。