マツ耐(マツダファン・エンデュランス)の永遠のテーマ、「タイムと燃費の両立」。 初めて参戦する方や経験の浅いチームが陥りがちなのが、「公道の燃費走行」をそのままサーキットに持ち込んでしまうことです。
本記事では、初心者が陥りがちな「ショートシフト」の罠と、高度なドライビングテクニック(ドラテク)に頼らずにタイムと燃費を両立させる「もう一つの戦い方」について考察します。
公道の燃費走行をサーキットに持ち込む罠
例えば、高速道路を100km/hで巡航するなら、エンジンの回転数を極力低く保つ「ショートシフト」が正解です。無駄な燃料を吹かず、淡々と走る。これが公道でのエコドライブの基本です。
しかし、ハッキリと断言しますが、マツ耐においてショートシフトでの燃費稼ぎは間違いです。
コーナーの立ち上がりから早め早めにシフトアップしていく車は、どうしても加速が鈍ります。後続車から見れば相手のスピードの乗りが遅いため、ストレートエンドを待たずともスリップに入り、いとも簡単にパスできてしまう格好の餌食になります。 ガソリンを節約できても、順位を落としてしまっては耐久レースとして勝負になりません。
ショートシフトの限界と「コーナリング速度」という壁
この「ショートシフトでは戦えない」という壁にぶつかった時、次に多くのチームがやろうとするのが「コーナリング速度(ボトムスピード)を限界まで落とさずに走る」というアプローチです。
確かに、ブレーキを減らして速度を保てれば燃費には効きます。しかし、これを突き詰めるには極めて高いドライバーの技量が必要になります。
マツ耐は、一部の「レース上級者だけが無双する」競技ではなく、レース初心者でもワイワイ楽しく参加できて、真剣に勝負のヒリヒリ感を味わえるイベントであってほしいと私は思っています。ドラテクだけで全てが決まるのではなく、「いろんな戦い方があるんだよ」ということをお伝えしたいのです。
ドラテクに依存しない戦い方「エネルギーマネジメント」
そこで初心者の方にも知ってほしいのが、ドラテクだけに依存しない「エネルギーマネジメント」という考え方です。
私からの確かなヒントは、「ストレートの極力早い段階で、一気に速度を乗せきってしまうこと」。
ダラダラと加速するのではなく、スパッとスピードを乗せる。そして、その獲得した速度(運動エネルギー)を、次のブレーキングまでの長い時間、いかに有効に維持して使い倒すか。 エンジンを回さない「引き算」のエコではなく、燃費を運動エネルギーに変換して長く使う競争に持ち込むのです。
では、具体的にどう走るのか?
「じゃあ、具体的にどうやってその速度を乗せて、どうやって燃費を落とさずに維持するのか?」
詳しいロジックやペダルワークについては……これ以上はライバルチームへのヒントになりすぎてしまうので伏せておきます(笑)。
それに、正直に言うと私自身もこれが「絶対の正解」だとは思っていません。いつも入賞に絡むところまでは行けても、まだ明確に勝ちきれたわけではなく、今もウンウンと悩み続けている状態だからです。
まとめ:マツ耐は「試行錯誤」が最大の醍醐味
この具体的なやり方を考え、ロガーのデータを引き出し、サーキットでひたすら試行錯誤すること。それこそが、マツ耐という奥深い大人の遊びの最大の醍醐味です。
もし「燃費は良いのにタイムが出ない、よく抜かれる」と悩んでいるなら、一度「ショートシフト」という固定観念を捨ててみてください。
上級者のコーナリングに挑むのもアリですが、頭を使ったエネルギーマネジメントで勝負を挑むのも最高に楽しいですよ。皆さんもぜひ、自分なりの戦い方の答えを探してみてくださいね。